英語が大好きでたまらないという人や、英語の本を読んだり、映画を見るのが好きだという人は、一度は英語翻訳というものを行ってみたいと思うものかもしれません。

翻訳と一言で言っても、英語の小説を一冊丸々訳す文芸翻訳と、契約書や特許明細書などの訳す実務翻訳では、仕事の取り組み方も、仕事の流れも全く異なるのが現実です。

では、翻訳という仕事の流れはどのようになっているのでしょうか?

翻訳会社を中心に見ていくことにしましょう。

基本的に、翻訳者はどこかの翻訳会社と契約しています。翻訳会社は翻訳案件を受注すると、契約翻訳者リストから、受注した案件に適した専門家を探します。

そして、翻訳者に納期や条件などを伝えて、仕事の委託を行います。

したがって、翻訳会社は、営業とマネジメントだけをやっている場合が多く、翻訳会社の社員が翻訳を行うというケースは大手でない限りまれです。

英語の翻訳であれば、社員の中に英語ができる人もいるので、英語の原文を読んで、訳を修正するとかいったことをやるかもしれませんが、ミャンマー語とかタガログ語のようなマイナー言語の場合は、なかなか難しいでしょう。

ただし、翻訳者から上がってきた製品は、たいてい翻訳会社のほうでチェック作業を行います。

英語の場合は、時差を利用して、例えばアメリカやイギリスにいるネイティブスピーカーに英語訳のチェックを依頼したり、逆に、イギリスやアメリカで作られた日本語訳を日本にいる日本人翻訳者にチェックさせるということを行っている会社もあります。

このチェックを行う人をチェッカーと言います。チェッカーは翻訳会社所属という場合が結構あります。

大手になると、翻訳ができるまでの一連の流れのコーディネートを行う翻訳コーディネーターという方がいらっしゃいます。

この方はいわば、翻訳会社から見た顧客・翻訳者・チェッカーのつなぎ役であり、マネージャーのような役割を果たします。

したがって、翻訳マネジャーは翻訳を行いません。翻訳はあくまで翻訳者が行います。

翻訳作業に入る前に、翻訳コーディネーターは、翻訳されるもののニーズをしっかり把握する仕事に入ります。

まず、翻訳された英語の本や文書は、誰がどこでどのように使うのかという目的や対象を調査します。
この目的や対象に合った翻訳を提供できるかというのは、翻訳の良し悪しや翻訳者の仕事のしやすさに大きな影響を与えることになり、大変重要な仕事です。ですので、翻訳コーディネーターも英語力が必要になります。

翻訳において特に問題となるのが、用語の統一と表記の統一がきちんとできているかどうかということがポイントになります。

この部分はチェッカーの仕事になりますが、納期直前でチェックしてしまうよりも、翻訳者に委託する段階で、統一ができていれば、その後の仕事の無駄を省き、労力が軽減できるのは言うまでもありません。

こうしたことから、翻訳チェッカーやコーディネーターがいることによって、翻訳会社の仕事の信頼性を高めることができるわけです。

翻訳業という仕事は、「早い・うまい・安い」がベストといわれる世界です。

翻訳者・翻訳コーディネーター・チェッカーが上手く生産性を上げていくことで、この三つの条件を満たし、生産性を高めていくことができるのです。