TOEICのスコアの計算はとても複雑なものになっています。少なくとも、1問5点という簡単な計算方法に基づいていません。

実際、公式サイトでは次のように説明されています。
「このスコアは、常に評価基準を一定に保つために統計処理が行われ、能力に変化がない限りスコアも一定に保たれている点が大きな特長です。
これによりTOEICテストで、あなたの現在の英語能力を正確に把握したり、目標とするスコアを設定したりすることが可能になるのです。」

これだけを聞いても、具体的なことはよくわかりません。
実際、どのような計算方法に基づいているかというのは、TOEICが公式的に明かしてくれているわけではないので何とも言えないというのが実情なのです。
ただし、TOEIC受験者が押さえるべきポイントがいくつかわかっています。

1つは、難しい問題を高い得点として評価したり、逆に、簡単な問題を低い得点として評価するということはないということです。
したがって、TOEICでは簡単な問題のケアレスミスのほうが、難しい問題に正解するよりも、得点に大きく響くということです。
いうなれば、正答数や正答率を高くするというアプローチを取るという姿勢が大切だということです。
大学入試のように、配点の高いところを狙って点を稼ごうなどという発想は捨てたほうがいいでしょう。TOEICはそのようなやり方を評価していません。

2つ目に、TOEICではリーディングセクションがリスニングセクションよりも採点が厳しいということです。
これは公表されている統計データからわかります。
TOEICでは、一定のスコアの幅を取って、各レンジごとに受験者の何%が分類されるのかということを明らかにしています。
毎回の傾向として、リーディングテストで460点以上を取るためには、全受験者の数の1 %に入らなければいけません。
2013年の3月に開催された178回TOEICテストでは15万人が受験していますから、これを統計に照らし合わせると、たった1500人しかこの得点を取れていないということになります。

ところが、リスニングセクションで460点を取るには5%に入っていればいいということが明らかになっています。先ほどの178回TOEICテストに照らし合わせれば、7500人がこの得点を取っていることになります。
その差は5倍ですから、TOEICでは、いかにリスニングセクションのほうが採点が甘いかがわかります。
これは別にリスニングのほうが難しいからという理由ではありません。
おそらくリーディングセクションには、文法や語法・単語の穴埋め問題がPART5とPART6で出題され、この部分は日本人にとって解きやすいために、統計上の中央値がリスニングセクションよりも高い値になってしまうからだと思われます。

「TOEICで満点を取ろうと思えば、リスニングセクションで4問落としても満点が取れるが、リーディングセクションでは1問ミスまでが限界で、2問間違えると満点を取り逃す可能性が出てくる」と言われています。
したがって、高いスコアをできるだけ取りたければ、リスニングの勉強をしっかり行って、リスニングの正答率を上げることと、リーディングセクションの特にPART5やPART6でケアレスミスをせずに点を取ることがとても重要だということが分かります。

ただし、リスニングの基本はリーディングにありますので、読解力が正確でなかったり、いい加減に読んでいるクセがついていたり、日本語の語順で読むために返り読み(左から右に一方通行で読んでいない)しているという状態であれば、このことがリスニング力を妨げる要因になります。

よって、リスニング力を高めていって、頭打ちになってきて、それ以上のスコアを望むのであれば、しっかりとリーディング力を高めるようにするといいと思います。とはいえ、パート7のようなリスニングの文よりも難しい長文ではなく、これよりも少しレベルを下げたような英文を使って、リスニング力アップのための読解を行ったほうがいいでしょう。

というわけで、要はバランスが総合的な得点力アップのカギとなります。TOEICはそのように受験生が勉強すれば、よいスコアが出るように、うまく誘導しているわけですね。